お口の中の「銀歯」が身体の不調の原因に?
まだ、銀歯をお使いの方には
「アマルガム」の徹底除去をおすすめします
なぜ、銀歯が金属アレルギーの原因になるのか
保険適用の詰め物として多くの方がイメージされるのは「銀歯」です。この銀歯は「アマルガム」と呼ばれる物質でできており、日本では1990年頃(昭和の終わり頃)まで、虫歯治療の際の詰め物に使われてきました。
実はアマルガムには水銀が50%程度含まれているため、 健康への悪影響が懸念されています。そのため、2016年には保険適用の対象から外され、歯科治療で使用されることはほとんどなくなりました。
「アマルガム」が原因と考えられる体の不調
水銀による健康被害というと、「水俣病」を思い浮かべる方が多いと思います。しかし、水俣病の原因が「有機水銀」であるのに対して、アマルガムに含まれるのは「無機水銀」で性質が異なるため、すぐに深刻なダメージが現れることはありません。
しかし、アマルガムの詰め物をしていると、唾液によって毎日少しずつ水銀が溶け出します。1本でもアマルガムを詰めた歯があれば、長い年月の間に結構な量の水銀が、体内に蓄積されていくことになります。水銀の蓄積によって引き起こされる体の不調には、次のものがあります。
・頭痛
・めまい
・視覚障害
・不眠
・イライラ
・慢性的な疲労感
・記憶障害
・手足のしびれ
・手足の冷え
・皮膚の炎症
・便秘など
妊娠中・または妊娠を希望している女性は、特に注意が必要です。アマルガムに含まれる水銀によって妊娠が阻害されたり、胎児に悪影響が生じる可能性が考えられるからです。
スウェーデンやドイツでは、アマルガムが全面的に禁止されており、スウェーデンとイギリスでは、「妊婦へのアマルガムの使用禁止」とも警告されています。
あなたのお口にも「アマルガム」があるかもしれません
これまで述べて来たとおり、1990年頃までの虫歯治療では、ごく当たり前にアマルガムが使用されていました。そのため、以下に当てはまる方は、歯にアマルガムが入っている可能性があります。
・1990〜2000年以前に虫歯治療を受け、「鉛色に近い銀色」の詰め物を入れた
・頭痛やめまいなど、原因不明の症状が続いている。
※症状について詳しくは、上記をご覧ください。
アマルガムの特徴
色 | ・光沢がない ・黒っぽくさびている ・鉛色に近い銀色 |
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使われている部位 | 奥歯の噛み合わせ 歯の側面 前歯の裏側など |
見た目 | ・小さめ(被せ物を使うほどでない大きさ) ・直線的ではない(カクカクしておらず、流体っぽい) ・銀色のかたまり(粒)のように見える |
アマルガム除去の流れ
当院では、安全性に配慮しながらアマルガム除去を行っています。
STEP1ラバーダムを使用
麻酔後に、お口にラバーダムを設置します。治療する歯とそれ以外を区分けするためのもので、患部に唾液や虫歯菌が侵入するのを防ぎます。
STEP2アマルガムの除去
口腔外バキュームで、お口の中の唾液や削りカスなどを吸引しながら、アマルガムを除去します。アマルガムの除去に使用するのは、「5倍速コントラ」というドリルです。従来のドリルに比べて、削るときの音や振動が抑えられているので、不快感が少ないです。
STEP3充てん処置
アマルガムを除去した穴を、充てんして塞ぎます。ダイレクトボンディングを使用するのが一般的ですが、ご希望に応じてセラミックの詰め物でも対応できます。
ただし、アマルガムを入れられていた歯はクラック(ひび)が入っていることが多く、クラックの具合や二次虫歯の状態によっては、被せものでの対応の方がよいこともあります。
コラム「銀歯」で金属アレルギーが起こることがあります
「金属アレルギー」というと、ピアスなどの金属製アクセサリーが引き起こすものというイメージがあるかもしれません。ですが、実はお口の中の「銀歯」によって金属アレルギーの症状が出てしまうこともあるのです。銀歯による金属アレルギーに多く見られる症状には、以下のものが挙げられます。
・頻繁に口内炎が起こる
・アトピー性皮膚炎が治らない
こうした症状に当てはまる方は、お口の中の銀歯による、金属アレルギーが根本原因の可能性があります。心当たりがある方は、当院までご相談ください。アレルゲンとなっている金属を特定するための検査もできます。また、アレルゲンとなっている被せものを、別の素材の被せものに交換する治療も可能です。
ジルコニアセラミック
セラミックの中でも特に審美性が高く、耐久性にも優れた素材です。陶器のような素材なので、金属アレルギーの患者さんにも安全に使用できます。
オールセラミック
ジルコニアセラミックに比べると耐久性がやや劣りますが、天然歯に近い色合いなので審美性を損ないません。こちらも金属アレルギーのリスクは0です。
初診「個別」相談へのご案内
当院では、患者さんが抱えていらっしゃるお口のお悩みや疑問・不安などにお応えする機会を設けております。どんなことでも構いませんので、私たちにお話ししていただけたらと思います。
ご興味がある方は下記からお問い合わせください。