入れ歯のトラブルの原因は?
本来、入れ歯というのは失った歯の代用として、幅広い症例に対応できる優れた治療方法です。しかし、次のような不満を感じている方も多いのではないでしょうか。
・噛むと痛みが出るので食事を楽しめない
・隙間に食べ物が挟まって痛い
・異物感があって喋りにくい
・外れやすいため、人前で使いづらい
こうした不具合が起こるのは、入れ歯の「厚み・ズレ・変形」が原因です。どういうことなのか、下に詳しく説明します。
入れ歯の「厚み」が原因の場合
口の中というのはとても敏感にできていて、髪の毛が一本入っただけでもすぐに変な感じがするものです。では、髪の毛よりはるかに厚みのある入れ歯ではどうでしょうか?
髪の毛ですら違和感があるのですから、入れ歯を着ければ異物感が生じるのは当然と言えるかもしれませんね。異物感が大きい場合には、「喋りにくさ」や「飲み込みにくさ」という問題も出てきます。
入れ歯の「ズレ」が原因の場合
お口の形と入れ歯の形が合っていないと、「隙間に食べ物が挟まりやすい」「外れやすい」といった問題が起こります。噛み合わせが変わるなどで使っている間にズレてくることもありますが、実は入れ歯を作る段階でズレが生じてしまっていることもあります。これは、入れ歯を作る工程や精度に問題があるということです。
入れ歯の「変形」が原因の場合
保険適用で作る入れ歯は、「レジン」という素材でできています。プラスチックの一種ですが、長く使う間に、「ゆがみ」「たわみ」が出てくることがあります。そうなるとお口の形と合わなくなるので、ものを噛むときに痛んだり、あるいは食べ物が入れ歯と歯茎の間に挟まったり、入れ歯がズレるといったトラブルが起こります。
しかし、これらの問題はいずれも解決が可能です。問題を解決することで、「しっかり噛める」「痛くない」「外れない」ということの他にも、次のメリットが生まれます。
●「食べ物の味・温度」が感じられる
食べ物の「味覚」「温度」をしっかり感じられるので、食事を美味しく食べられます。
●「誤嚥性肺炎」のリスクを軽減
噛めない入れ歯を使っていると、「噛む力」や「飲み込む力」が低下します。この状態は、食べ物が器官に入ってしまうことで起こる「誤嚥性肺炎」の発症リスクを高めます。
つまり、しっかり噛める入れ歯にすることは、「誤嚥性肺炎」のリスクを軽減することにもつながるのです。